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『東大オタク学講座』を読んで

東大オタク学講座 (講談社文庫 お 103-1)東大オタク学講座 (講談社文庫 お 103-1)
(2008/05/15)
岡田 斗司夫

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岡田斗司夫氏の『東大オタク学講座』を拝読。

この本ではアニメやマンガだけではなく、
村上隆氏をゲストに迎えての現代アートの授業や、
オカルト、さらにはゴミ漁りまで、
オタクを幅広く扱っているため、
「ガンダムって何?」という人でも、
楽しく読める内容になっている。

中でも私は、兵頭二十八氏をゲストに迎えて行われた
「日本核武装論」の回に興味をひかれた。

その回においても、特に注目した部分は、
「対主権者への直接アプローチ」を知らないために、
戦争において事態がこじれる場合が多い、というくだりだ。
これはどういうことか。兵頭二十八氏によって、ベトナム戦争を例に説明されている。

「たとえばかつての北ベトナムで、ほんとうに自国の国策に影響力を行使し得たのは、限られたパワーエリートだけでしたね。いっぽう、アメリカ合衆国は、末端の兵士までがワシントンのパワーエリートと同じくらい国策に影響を与えられた。つまり独裁国家の主権者は国民とイコールではないが、民主主義国家の主権者は国民と一致しているという単純な話です」

さらに、北朝鮮を例にして、こう続けられる。

「北朝鮮だったら金正日らの特権階層が主権者ですよね。かれらが飢餓や戦死の危険にさらされれば北朝鮮の政策は変わるけれども、片田舎で農民の一家が飢えに苦しもうが主権者の知ったことではないから、北朝鮮という国家の政策は変わらない」
「経済制裁を独裁国家に対して行ったって無意味なのはその仕組みのためです。歴史上のどんな飢饉のときでも領主が飢え死にしたなんて話はないでしょう」

そして、太平洋戦争での日本とアメリカの誤解を、こう説明する。

「「自分たちにとって痛いことは相手にとっても痛いはずだ」というカンちがいを皆してしまうようです。戦時中の日本はどうだったか。日本は貧乏国家だから戦艦一隻の価値は人間一〇〇〇人の命よりもはるかに重い。それで、「きっとアメリカだって戦艦を沈められたら戦意を喪失するだろう」と思い込んで真珠湾を空襲した。そころがアメリカでは戦艦一隻より乗組員一〇〇〇人の命の方が重かった。逆に硫黄島の戦い程度のちっぽけな損害ですら、「こんな作戦を続けるのは犠牲が大きすぎる、やめろ」という世論が沸き起こったくらい。だからアメリカ側は「日本もたぶん自分たちと同じように、空襲で大勢の国民が死ぬことには堪えられないだろう」と考えていた。だけどいくら空襲で国民死なせたって当時の主権者であるパワーエリートたちに直接与えたダメージは微小だったから、ムダな犠牲ばかり増えたわけです。「対主権者へのアプローチ」の着眼がないとそうなる」

そして、兵頭二十八氏は以上の話をこうまとめている。

「国際政治は意志の押し付け合いです。自分も相手もちがうキャラクターを持っているのだから、お互い意志を押し付け合うなら「自分が嫌なこと」ではなく「相手が嫌がること」を冷静に考えることです」

長い引用になったが、
主張されていることは理解していただけたと思う。

この「対主権者へのアプローチ」は、
今でも着眼されていない気がしてならない。
北朝鮮の経済制裁もそうだが、
中国からのGoogle撤退問題など典型的ではないだろうか。
中国側からすれば、Googleが撤退してくれるなんて
むしろ「ありがたい」ことだろう。
これではGoogleが損するだけだ。

Googleは中国市場に年間3億3700万ドル(約310億円)の売上があるのだ。

Googleの一件のみならず、
私には、アメリカ自体が中国に踊らされているようにしか見えない。
そのアメリカに踊らされている日本は、
もっと想像力を持たなければならない。

地理的にも立場的にも、
日本はアメリカと中国に挟まれているのだから。
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